川上 慶
KAWAKAMI KEI
所属
生命環境学部 生物科学科
研究分野・キーワード
染色体, エピジェネティクス, 細胞記憶
研究概要
一卵性双生児のゲノムDNA配列は互いに同一ですが、糖尿病やガンの発症率、食べ物の好き嫌いなどに多くの違いが見られます。なぜ同一のゲノムDNAを持つ二人が異なる個性を持つのでしょうか。私は、生物が個性を獲得しそれを記憶・維持する仕組みを細胞レベルで研究しています。これまで世界中で行われてきた研究から、細胞の個性は、細胞が持つ個々の遺伝子の活性のONあるいはOFFを調節することで生み出されることが分かってきました。このような遺伝子発現の調節は、遺伝子を取り巻く染色体の構造を巧みに操ることで行われています。このような遺伝子発現の制御様式をエピジェネティクスと呼びます。しかし、一旦遺伝子発現がONあるいはOFFに調節された後、そのエピジェネティックな状態がどのように細胞に記憶され、維持されるのかは未だ明らかではありません。この問題に関して、私はシンプルな単細胞生物である分裂酵母をモデル生物に用いて、遺伝学的なアプローチを主軸に研究を行っています。これまでに、エピジェネティックな細胞記憶の制御に関わる遺伝子を多数発見しています。驚くことに、分裂酵母で発見されたこれらの遺伝子の多くは、ヒトにも存在する遺伝子でした。現在、分裂酵母の研究を通して、私たちヒトをはじめとした生物の個性がどのように生まれるのか、そのヒントを探して毎日楽しく研究しています。
論文 【 表示 / 非表示 】
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記述言語:英語
タイトル:A novel RNAi protein, Dsh1, assembles RNAi machinery on chromatin to amplify heterochromatic siRNA
誌名:Genes and Development 26巻 (頁 1811 ~ 1824)
出版年月:2012年08月
著者:Kei Kawakami, Aki Hayashi, Jun-ichi Nakayama, and Yota MurakamiDOI:10.1101
掲載種別:研究論文(学術雑誌)
共著区分:共著
担当授業科目(学内) 【 表示 / 非表示 】
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履修年度:2022年度(西暦)
提供部署名:理工学部
授業科目名:サブゼミ
授業形式:代表者
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履修年度:2022年度(西暦)
提供部署名:生命環境学部
授業科目名:基礎生物科学
授業形式:代表者