基本情報

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浦上 千藍紗

URAGAMI CHIASA

所属
生命環境学部 専任講師
研究分野・キーワード
カロテノイド, 人工光合成, 分光学
教育研究内容
私の研究内容は、天然に広く存在する色素、カロテノイドの光物性を観測することです。カロテノイドは、赤、橙、黄色を示すテトラテルペン色素で微生物、植物、動物に広く存在しています。代表的なものでとして、ニンジンのβ-カロテン、トマトのリコペン、卵黄のルテイン、エビやカニの甲羅のアスタキサンチンなどがあります。このようにカロテノイドは天然に、確認されているだけで、800種類以上存在し、その一つ一つが多くの生理活性を持っています。例えば、強すぎる光から生物を守る光保護機能や、植物並びに動物にとっても有害である、活性酸素の消去機能などがあります。この中でも私が注目しているのは、光合成における光捕集機能です。カロテノイドは光合成生物内で、太陽光エネルギーを最初に捕集し、獲得したエネルギーをもう一つの光合成色素であるクロロフィルに渡す重要な役割を担っています。カロテノイドがいかに効率よく太陽光エネルギーをキャッチし、効率よくクロロフィルにエネルギー移動をするかによって、光合成システム全体のエネルギー変換効率を決めると言っても過言ではありません。このカロテノイドの機能は、カロテノイドの電気的特性によってなされております。この分子の電気的特性を研究する最も一般的な手法が分光学です。ひとえに分光学といっても、振動分光(赤外吸収、ラマン分光)、吸収分光、時間分解分光など、現代科学においてはレーザーの発展とともに、多種多様な方法が開発されてきました。私はこれらの分光学的手法を駆使して、カロテノイドの光合成における機能と構造の関係を解明しようと研究を進めています。カロテノイドの光合成組織内における、機能と構造の関係を解明することができれば、効率の良いエネルギー伝達の要因がなんなのか、を突き止めることができると考えております。ここでわかったことは、現代のエネルギー問題の解決の一助になると考えられている、人工光合成デバイスを開発するのに、貢献できると期待しております。

出身大学 【 表示 / 非表示

  • 学校名:大阪市立大学
    学部(学系)名:理学部
    学科・専攻等名:物理学科

    学校の種類:大学
    卒業年月:2010年03月
    卒業区分:卒業
    国名:日本国

学位 【 表示 / 非表示

  • 学位名:博士(理学)
    分野名:自然科学一般 / 生物物理、化学物理、ソフトマターの物理
    授与機関名:大阪市立大学
    取得方法:課程
    取得年月:2015年03月

経歴 【 表示 / 非表示

  • 所属:関西学院大学
    部署名:生命環境学部
    職名:専任講師
    年月:2019年04月 ~ 2024年09月

研究分野 【 表示 / 非表示

  • 研究分野:自然科学一般 / 生物物理、化学物理、ソフトマターの物理

論文 【 表示 / 非表示

  • タイトル:Ester-functionalized nonfullerene acceptors modulate crystallinity enabling 20% efficiency organic solar cells with scalability
    誌名:MATERIALS SCIENCE & ENGINEERING R-REPORTS  167巻
    出版年月:2026年01月
    著者:Tian, GS; Chen, Y; Li, YH; Liu, L; Ma, QY; Duan, SN; Uragami, C; Hashimoto, H; Huang, PH; Yang, CM; Yang, Y; Lu, SR; Xiao, ZY

    DOI:10.1016/j.mser.2025.101118

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  • タイトル:Chlorophylls for dual-function exciton relay and morphology regulation in organic solar cells
    誌名:MATERIALS SCIENCE & ENGINEERING R-REPORTS  166巻
    出版年月:2025年09月
    著者:Duan, SN; Gu, T; Liu, L; Sasaki, SI; Uragami, C; Huang, PH; Jiang, X; Zhou, YQ; Liu, ZY; Hu, DQ; Liu, H; Lu, XH; Tamiaki, H; Wang, XF; Hashimoto, H; Xiao, ZY

    DOI:10.1016/j.mser.2025.101062

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  • タイトル:Photophysical consequences of spheroidene reconstitution in LH1 of <i>Rsp. rubrum</i>: improved energy transfer and altered photoprotection
    誌名:PLANT AND CELL PHYSIOLOGY
    出版年月:2025年08月
    著者:Uragami, C; Mitani, K; Yukihira, N; Gardiner, AT; Cogdell, RJ; Hashimoto, H

    DOI:10.1093/pcp/pcaf087

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  • タイトル:Rational Manipulation of Fluorination Sites Enables 19.58% Efficiency Binary Organic Solar Cells with Optimized Energy Levels and Improved Charge Transfer
    誌名:ADVANCED FUNCTIONAL MATERIALS
    出版年月:2025年07月
    著者:Tu, KH; Chen, Y; Duan, TN; Duan, SN; Hu, DQ; Liu, L; Tian, GS; Gu, T; Liu, H; Lu, XH; Uragami, C; Hashimoto, H; Huang, PH; Xiao, ZY

    DOI:10.1002/adfm.202511914

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  • タイトル:Unraveling the triplet energy transfer pathways in bacteriochlorophyll b-based photosynthetic complexes: insights from sub-nanosecond time-resolved absorption spectroscopy of Blastochloris viridis
    誌名:PLANT AND CELL PHYSIOLOGY
    出版年月:2025年07月
    著者:Tao, RH; Uragami, C; Kishida, I; Duan, SN; Cogdell, RJ; Hashimoto, H

    DOI:10.1093/pcp/pcaf056

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