市崎野 真季
ICHISAKINO MAKI
所属
生命環境学部 助教
生年
1993年
研究分野・キーワード
がん遺伝子治療
教育研究内容
悪性腫瘍(がん)とは、様々な原因で生じた遺伝子の変異によって細胞が無秩序に増え続けてできた細胞の塊である「腫瘍」のうち、放っておくと全身に広がり体に様々な悪影響をもたらすものを指します。また近年、遺伝子の変異を伴わないDNAの可逆的な化学修飾の仕組み(エピゲノム)の変化や、本来の正常な細胞の形態をどれくらい維持しているかを表す「分化度」が、がんの発症や進行に重要であることが分かってきました。ヒトの受精卵は、たった1つの細胞から個体を形成する全ての細胞に分化する「全能性」という機能を持っています。同一の遺伝情報を持つ細胞が示すこの多様性は、エピゲノム制御によるものと考えられており、全能性の仕組みを理解することは、様々な疾患の原因や病態を理解することにもつながります。また、発生の過程で消失するはずの原始胚細胞が体内に留まり発症するがんも知られており、エピゲノム制御の仕組みとがんの発症にも深い関りがあると考えられます。生殖細胞の持つ全能性、つまり、エピゲノム制御と分化の仕組みを解明し、がんの発症や進行について明らかにすることを目指しています。